初★定休日

オープンよりひと月たち、お店のほうも「日常」として落ち着いてきたので、
今月からは、ここ数か月の間できずにいたことを再開していこうと思い、
まず日曜(営業前)には頂きもののチケットで映画『カーズ2』へ。

http://www.disney.co.jp/cars/

いやいやそれが、すごくすごく面白かった!
説明なしに始まる、いきなりの緊迫したスパイ・アクション・シーンから、
のどかな町ののどかな仲間たちのシーンへ。
そのふたつのストーリーラインがぐっと絡み合っていくところに引き込まれ、
まったく息つくひまもなく、カーズワールドを駆け抜けた2時間でした。

このところ何度か見る機会をいただいているディズニーの配給映画ですが、
ストーリーも展開も緩急が絶妙で、
ほんとうに毎回もりもりと楽しんで、力をもらっています。

晴雨堂のはじめての定休日だった今週月曜には
『ブルー・バレンタイン』と『キッズ・オールライト』の2本立て。
飯田橋ギンレイホールの年間パスポートを持っているので、
都合が合えば2週間に一度は2本立てを観ています。)

こちらもいろいろ面白かった。
ギンレイの2本立てはいつも組み合わせがとても巧い。
今回は「結婚っていうのは大変なのよ!」つながりか、あるいは
「どうして一番大切な人を一番傷つけちゃうんだろう?」つながりかもしれない。
(どちらも『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーアのセリフ。とてもいいシーンだった。)

繰り返される痛い痛い痴話げんか(というよりけんかにすらなっていない「積極的なすれ違い」)がずーっと胸に刺さり続ける『ブルー・バレンタイン』。
主演の『ラースとその彼女』や『きみに読む物語』のライアン・ゴズリングは、変わらずの純粋さで、それがすごくつらくて、今思い出しても胸がぐーっと苦しくなります。

b-valentine.com

キッズ・オールライト』は、アネット・ベニングジュリアン・ムーアの中年ゲイ(レズビアン)夫婦とその子供たちが、出会いや事件、反抗期や成長を経験していく、複雑に見えてきわめて健全でまっとう(と私は思います)な家族の話。

http://allright-movie.com/

コミュニケーションとは言葉や行為を「発する‐受け取る‐発する・・・」というシンプルなアクションの積み重ねなのだけれど、その微妙な成立や不成立、ずれや重なりや振るえが愛や嫌悪や充足や不満という「関係」を作る。(おおざっぱな言い方だけれど。)

1本目はもうどうにもできないところまで「受け取らない」ことを重ねてしまって、もう戻れない関係の話。
2本目はそれぞれが失敗しながらも「まっすぐに発し、まっすぐに受け取る」ことを成就させながら、関係を更新し続けていく話。

身体や手を通しての「コミュニケーション」が自分の仕事そのものでもあるので、
映画の本筋とはおそらく別なのだけれど、観終わっていろいろと「コミュニケーション」について考えさせられた。

・・・お休みって、ほんとにいいものですね!(水野晴郎氏風。)